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「川久保玲が『デザインしなかった』って、どういうこと?」
「デザインしないのに、なぜデザイナー?」
「コムデギャルソンの哲学を、もっと深く知りたい」
川久保玲の言葉を追いかけていると、こんな疑問に突き当たることがあります。
2019年春夏コレクションで、川久保玲は衝撃的な言葉を口にしました。「デザインしないことがデザインではないかと気づいた」と。
この記事では、川久保玲が辿り着いた「デザインしない」という境地の意味を読み解きます。表面的な理解を超えて、その奥にある創造の本質、そして私たちの日常にも通じる深い哲学を探っていきます。
川久保玲が「デザインしなかった」2019年春夏コレクション

2019年春夏コレクション。そのショーを終えた後、川久保玲は珍しくインタビューに応じました。
「過去5年間のオブジェ風の表現から一転しました」という問いに対して、彼女はこう答えたのです。
川久保玲の言葉
「抽象的なイメージを形にして、服ではないような形を作ることはある程度やりがいはありました。しかし、もう新しさを感じなくなったのです。常に新しく、強く、人の心に刺激を与えて前に進むことを目指してきたけれど、その方向では次の新しさを見つけることができなかった。そして、デザインしないことがデザインではないかと気づきました。心の中を探って、出てきた中身を素直にシンプルな形で出すしかないと」
この言葉を初めて聞いたとき、多くの人が戸惑ったはずです。デザインしないことが、デザイン?
でも、この矛盾こそが、川久保玲が辿り着いた究極の境地なのです。

デザインしない…って、難しい言葉だにゃ。でも、深い意味がありそうだにゃ。
「デザインしない」とは何か?その真意を読み解く
「デザインしない」という言葉。それは、文字通り「何もしない」という意味ではありません。
作為を削ぎ落とすという、究極の作為

川久保玲が言う「デザインしない」とは、過剰な装飾や複雑な構造を削ぎ落とし、本質だけを残すことです。
2019年春夏コレクションでは、柄物のボディスーツの上にモノトーンの服を着せ、心地よい生地で、きれいに仕立てた服にあえてハサミで切れ目を入れて壊してしまう──それだけがデザインだったと言います。
「ハサミを入れた意味は?」と問われた川久保玲は、こう答えました。
「ストレートに切っただけに見えるけれど、そう見せるためにはかなりの技術が必要。探して、探して、ようやくたどりついた線なのです」
つまり、「デザインしない」というのは、無為ではなく、極限まで研ぎ澄まされた意図なのです。
内面から湧き出るものを、そのまま形にする

川久保玲は、「心の中を探って、出てきた中身を素直にシンプルな形で出すしかない」とも語っています。
これは、「デザインする」という意識的な行為を手放し、内面から自然に湧き出るものに身を委ねるという意味です。
頭で考えて、計算して、戦略的に作るのではない。心の奥底にあるものが、自然に形になる。それを邪魔しない。余計な手を加えない。ただ、そこにあるべきものを、あるべき形で出す。
それが、川久保玲の辿り着いた「デザインしない」という境地なのです。

余計なものを削ぎ落とすことで、本質が見えてくる。深いにゃ!
川久保玲がなぜ「デザインしない」に辿り着いたのか
なぜ、川久保玲は「デザインしない」という境地に辿り着いたのでしょうか。その背景には、彼女の長年の創造活動と、そこから生まれた深い気づきがあります。
過去5年間の「オブジェ風表現」からの転換

川久保玲は、2010年代半ばから、服というよりも「オブジェ」のような作品を発表してきました。体に不自然なコブをつけた「こぶドレス」や、左右非対称で奇抜なシルエット。従来の服の概念を超えた、芸術作品のような世界。
しかし、川久保玲はそこに「もう新しさを感じなくなった」と言います。
形を追求すればするほど、形に囚われてしまう。新しい形を求めれば求めるほど、本質から遠ざかってしまう。そんなジレンマに直面したのかもしれません。
だからこそ、彼女は真逆の方向へと舵を切ったのです。形を追求することをやめ、心の内側に向かったのです。
「新しさ」を追求し続けた先に見えたもの

川久保玲は、常に「新しいもの」を追い求めてきました。見たことのないもの、誰もやっていないこと。それがコムデギャルソンの存在意義でした。
しかし、「新しさ」を外側に求め続けることの限界に気づいたのです。
本当の新しさとは、外側にあるのではなく、内側にある。自分の心の奥底にある、まだ言葉にならないもの、形になっていないもの。それこそが、誰も真似できない唯一無二の「新しさ」なのだと。
「デザインしない」は、デザイン画を描かないこととは違う
川久保玲について語られるとき、よく「デザイン画を描かない」「パターンを起こさない」という話が出てきます。
川久保玲の独特なデザイン手法

川久保玲は、一般的なデザイナーのように、デザイン画を描いてパタンナーに指示を出す、という方法をとりません。
彼女がするのは、抽象的な言葉でイメージを伝えること。たとえば、ハンカチを床に落としてクシャッとなった形を指差して「これ!これが作りたいの!」と言う。あるいは、感覚的な言葉で雰囲気を伝える。
そして、優秀なパタンナーや職人たちが、その抽象的なイメージを形にしていくのです。
しかし、これは「デザインしない」とは違います。川久保玲は確かにデザイン画は描かないけれど、明確な意図とビジョンは持っているのです。
2019年の「デザインしない」は、さらに深い次元

2019年春夏コレクションで語られた「デザインしない」は、デザイン画を描かないという手法の話ではなく、もっと哲学的な次元の話です。
作為的に「こうしよう」「ああしよう」と計算することをやめ、内面から自然に湧き出るものに従う。頭で考えるのではなく、心で感じる。そして、余計な手を加えず、ただそこにあるべき形を、最小限の介入で引き出す。
それが、川久保玲が辿り着いた「デザインしない」という境地なのです。

手法の話じゃなくて、哲学の話なんだにゃ。深いにゃ…!
「デザインしない」が教えてくれること
川久保玲の「デザインしない」という言葉は、ファッションの世界だけでなく、私たちの生き方にも深い示唆を与えてくれます。
作為を手放すことで、本質が現れる

私たちは、日常の中で「こうしなければ」「ああすべきだ」と、常に頭で考えています。
どう見られるか、どう評価されるか。そんなことばかりを気にして、本当の自分の気持ちを見失っているかもしれません。
川久保玲の「デザインしない」は、そんな私たちに問いかけます。
余計な作為を手放したとき、本当のあなたが現れるのではないか、と。
「引き算の美学」が持つ力

現代社会は、「足し算」の世界です。もっと多く、もっと豊かに、もっと便利に。
しかし、川久保玲が示したのは、「引き算」の美学です。
余計なものを削ぎ落とすこと。シンプルにすること。何もしないこと。そこにこそ、真の豊かさがある。
ファッションだけでなく、私たちの暮らし方、働き方、人との関わり方。すべてに通じる哲学です。
使わなくなったコムデギャルソンを手放すなら、価値が分かる場所で
コムデギャルソンは「分かる人が見ないともったいない」ブランドです。
一般的なリサイクルショップでは、コムデギャルソンを「PLAYのハートマークのブランド」として認識していることが多く、コレクションラインとカジュアルラインの価値差が正しく反映されません。PLAYのTシャツが定価1万円台なのに対し、メインラインのコレクションピースは数十万円。HOMME PLUSのランウェイモデルは中古でも数万〜十数万円で取引されることがあります。この差を見極められるかどうかが、査定額を大きく左右します。
さらに、コムデギャルソンにはシーズンごとのコレクションテーマがあり、人気テーマのアイテムは年代を経ても高い需要を保ちます。1997年の「コブドレス」、2017年の「The Future of Silhouette」など、ファッション史に残るコレクションのアイテムは美術品に近い価値を持っています。
コムデギャルソンは約20ラインを4人のデザイナーが手がけ、さらにシーズンテーマ・コラボ・生産国の違いまで加わる、最も査定が難しいブランドの一つ。ラインの特性、コレクションの歴史、コラボの希少性を総合的に理解した査定なら、「ギャルソン=ハートマーク」扱いとはまったく違う結果になるはずです。

ギャルソンは約20ライン!PLAYとHOMME PLUSを同じ基準で査定しちゃダメにゃ!
コムデギャルソンを売るなら、宅配買取QUOT(クオット)
私たちQUOTでは、コムデギャルソンの全ラインの買取を行っています。メインラインのコレクションピースからHOMME PLUSのランウェイモデル、コムコムのベーシックアイテム、PLAYのハートロゴTシャツ、HOMME DEUXのスーツ、ジュンヤワタナベのコラボアイテムまで。ライン・シーズンテーマ・コラボの希少性・デザイナーの違いをすべて把握した上で、一点ごとに丁寧に査定・お買い取りしています。

コレクションテーマやコラボの希少性まで見極めるプロに任せるにゃ!
「大切にしてきたコムデギャルソン、次に届くべき人のもとへ届けたいな」と思ったら、お気軽にご相談ください。
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まとめ:「デザインしない」は、創造の最終到達点
ここまで、川久保玲の「デザインしない」という哲学を読み解いてきました。
この記事のポイント
・川久保玲は2019年春夏コレクションで「デザインしなかった」
・「デザインしない」とは、作為を削ぎ落とすこと
・内面から湧き出るものを、素直に形にする
・過去5年のオブジェ風表現の限界から、内面へと回帰
・引き算の美学が、本質を浮かび上がらせる
「デザインしない」──それは、50年以上ファッション界の最前線を走り続けてきた川久保玲が辿り着いた、創造の最終到達点なのかもしれません。
何も足さない。何も引かない。ただ、そこにあるべきものを、あるべき形で。
シンプルでありながら、これほど難しいことはありません。そして、これほど美しいこともありません。

川久保玲の哲学、深すぎるにゃ。でも、心に響くものがあるにゃ。



