アルニスの現在:2012年にLVMHが買収し、ベルルッティの一部に
こんにちは、中古アパレル委託販売フクツグの田中です!
「アルニスって、いまもあるの?」「手元のフォレスティエールは、いつ頃のものなんだろう」。アルニスのジャケットやシャツを持っている方は、こんな疑問が浮かぶことがあるのではないでしょうか。
先に結論をお伝えすると、アルニスは2012年にLVMHグループが買収し、ベルルッティの一部として引き継がれました。この記事では、ブランドの「現在」と、代表作フォレスティエールの特徴、古着として手元の一着を確かめるポイントを、資料ごとの食い違いも含めて整理します。
この記事では、アルニスの歴史と現在、フォレスティエールの特徴(資料による違いも)、古着の表記や年代の見方、手元の一着を整理するポイントをまとめています。公式サイトが見つからないブランドのため、報道や専門記事を出典にしています。
1933年創業が有力。ただし資料で食い違いがある
アルニスは、パリで創業した紳士服のブランドです。noteの解説記事(2025年5月27日付)は、1933年にパリで創業し、拠点はパリ左岸のサン=ジェルマン=デ=プレ地区で、哲学者や建築家、文化人に支持された、と説明しています。フランス語版ウィキペディアも、創業を1933年とし、創業者をヤンケル・グリンベール(Jankel Grimbert、Grünbergとも表記)としています。
一方、雑誌系のウェブ記事「ぼくのおじさんジャケット」(松山猛氏らの談話)は、創業を1902年としています。資料によって創業年が違うため、この記事では、複数の資料が一致する1933年を採用し、1902年とする記述もあることを併記します。
出典:note「Vol.24 ARNYS(アルニス)とは?」(2025年5月27日付)
2012年にLVMHが買収。パリの本店はベルルッティの拠点に
ムーディ・デイビット・レポートの2012年6月14日付の記事によると、LVMHはアルニスの買収を発表しました。ベルルッティが初めて紳士の既製服を手がけることを目的とし、アルニスの職人と全従業員はLVMHグループに加わる、とあります。
パリのリュ・ド・セーヴル14番地の店は、ベルルッティの新事業の旗艦店になること、グリンベール家は1933年から経営してきたことも、同じ記事にあります。当時の経営者のジャン・グリンベールは、アルニスの技術の継続を自ら見守ると述べています。
LVMHは、この店が、フランスで仕立てのスーツを完全オーダーメイドで注文できる数少ない場所のひとつになると説明しています。ベルルッティのオーダーメイド事業は、アレッサンドロ・サルトリが統括するとも書かれています。
出典:Moodie Davitt Report「LVMH acquires Paris menswear brand Arnys」(2012年6月14日付)
「閉店」と検索される理由:既製服のフォレスティエールは作られていない

モノンクルの記事は、数年前に商標権がベルルッティに売却され、ブランドとしての実態はほぼなくなったと書いています。既製服のフォレスティエールも生産されておらず、本店のテーラリングのアトリエは残っていて、ビスポーク(オーダー)は可能とされています。noteの記事も、2012年にベルルッティに統合され、ブランド名としては一線を退いたと述べています。
フランス語版ウィキペディアは、アルニスの運営会社「Société Nouvelle de Chemiserie Arnys」の登記が、2013年7月1日に抹消されたとしています。ただし、現在の店舗やアトリエの営業状況は、この記事の調べた範囲では確認できませんでした。
| 年 | 出来事 | 確認できた出典 |
|---|---|---|
| 1933年 | 創業(1902年とする記述もある) | note/ウィキペディア/モノンクル |
| 1947年 | フォレスティエールが誕生とされる | note/松山氏らの談話 |
| 2012年6月 | LVMHが買収を発表。ベルルッティの事業に | ムーディ・デイビット・レポート |
| 2013年7月 | 運営会社の登記が抹消 | フランス語版ウィキペディア |

創業年も、買収後の様子も、資料で違うにゃ。この記事では、確認できたものだけを書いて、食い違いは併記するにゃ。
アルニスのジャケット、フォレスティエールの特徴を読む
モノンクルの記事によると、アルニスは「右岸のエルメス、左岸のアルニス」と呼ばれ、フランスでエルメスと並び称されたと記されています。
その代表作として必ず名前が挙がるのが、フォレスティエールです。ここでも、資料ごとの記述を、そのまま比べてみます。
フォレスティエールの誕生:1947年、森番の作業着が原型
noteの記事は、1947年に、建築家ル・コルビュジエの依頼で誕生したとされるジャケットと紹介しています。モノンクルの記事は、ル・コルビュジエの注文でハンティングジャケットをアレンジしたという話が定説とされている一方、その写真は見つかっていない、と書いています。つまり、この由来は、確実に裏付けられたものではありません。
パット・ディス・オンの2021年11月15日付の記事は、1947年にレオン・グリンベールがデザインし、原型はソローニュ地方の森林官の作業着だったと説明しています。フランス語版ウィキペディアも、20世紀初頭のソローニュの森番の上着に着想を得たものとしています。
資料ごとに違う、素材とディテールの記述
| 資料 | 素材・ディテールの記述 |
|---|---|
| パット・ディス・オン(2021年) | ゆったりしたハイボタンの前開き、ラペルなしのバンドカラー、スモック状の作り、広めのアームホール。素材はコーデュロイ、リネン、レザーなど。ボタンに「ARNYS PARIS」のロゴ |
| フランス語版ウィキペディア | コットンのモールスキン製。黄色や赤の裏地 |
| モノンクル(談話) | アトリエ製はコットンを微起毛させた生地。イタリアのイザイア製もある |
| note(2025年) | 1970年代はカラフルな裏地や手描きプリント。2000年代のコーデュロイ、キャメル×ボルドーのカタログ掲載 |
出典:Put This On「Paris Meridian: Arnys」(2021年11月15日付)
このように、フォレスティエールと呼ばれるものでも、素材も裏地も一つではありません。時代や作り手によって違う、と考えるのが自然です。手元の一着を説明するときは、「フォレスティエール」という名前だけでなく、素材と裏地の色を確認しておくと正確です。
パット・ディス・オンの記事には、「certifié conforme(1947年のオリジナルに準拠)」と書かれたラベルが付いていたという記述もあります。ただし、このラベルが全ての年代にあるのかは、確認できませんでした。
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アルニスの古着を、手元で確かめるポイント
アルニスは、現行品がほとんど手に入らないため、検索でも「古着」と一緒に調べられています。ここでは、古着店の表記の例と、手元で確かめられる点を整理します。
古着店の表記:年代とサイズの書き方

ヨーロッパの古着を扱うオンライン店「ヴュー・エ・ヌーヴォー」のアルニスの一覧では、商品名の先頭に「【~90’s】」「【~00’s】」のような年代が付いています。サイズは「Size.48」「Size.52」のような数字の表記で、「S〜M」「L〜XL」などのレター区分でも絞り込めます。
この年代は、販売店が付けた目安であり、ブランドが公式に示したものではありません。同じ店の表記でも、「Old ARNYS PARIS」と「ARNYS PARIS」の二通りがあり、ラベルの表記の違いが何を意味するかは、ページに説明がありませんでした。
手元で確かめる点:ラベル、ボタン、素材、サイズ
手元の一着を整理するときは、次の点を写真に撮っておくと、状態を伝えやすくなります。ラベル(ブランド名の表記、「certifié conforme」の有無)、ボタン(「ARNYS PARIS」の文字の入った金属のボタンか)、素材の表記、裏地の色と柄、サイズの数字です。
noteの記事は、2010年代にモダンな解釈で若い世代に再評価され、ヴィンテージ市場で高値がつき始めたと伝えています。人気や相場を示す数字は、この記事の調べた範囲では確認できませんでした。
また、アトリエ製かイザイア製かで違いがある、という談話もあります。製造元の表記がタグにあれば、メモしておきましょう。年代は、販売店の表記を目安にしつつ、断定は避けるのが安心です。
ネクタイや帽子などの小物について
検索では「ネクタイ」「帽子」も調べられていますが、この記事の調べた範囲では、アルニスのネクタイや帽子について、素材や年代を説明した信頼できる資料は見つけられませんでした。そのため、小物の見分け方は書いていません。手元にある場合は、ラベルとタグの写真を残しておくと、状態の説明に役立ちます。

ラベル、ボタン、素材、サイズの数字の写真があると、状態を伝えやすいにゃ。まず、写真を撮っておくといいにゃ。
まとめ:アルニスの現在を知って、手元の一着を整理しよう
この記事のポイント
・アルニスは2012年にLVMHが買収し、ベルルッティの一部に(報道)
・創業は1933年が有力だが、1902年とする記述もある
・フォレスティエールは、素材も裏地も資料ごとに記述が違う
・古着店の年代表記は販売店の目安。ラベルとボタン、素材、サイズを写真に残す
アルニスは、現行品が手に入りにくいぶん、手元の一着の情報が、そのまま価値の説明になります。ラベル、素材、サイズの数字を整理しておくと、状態を正確に伝えることができます。
価値が分かる場所で手放す、という考え方

長く着てきた一着を手放すのは、迷って当たり前だにゃ。急がなくて大丈夫だにゃ。
| 確認したい点 | 見るところ |
|---|---|
| 型の名前 | フォレスティエールなど。ラベルや商品タグの表記 |
| ラベルとボタン | ブランド名の表記、「ARNYS PARIS」の入ったボタン |
| 素材と裏地 | コーデュロイ、リネン、モールスキンなど。裏地の色と柄 |
| サイズ表記 | 48、52などの数字。肩幅・着丈・袖丈の実寸 |
| 状態 | 袖口やひじの擦れ、虫食い、においや型崩れ、ボタンの欠け |
現行品がほとんどないブランドは、型や素材を分かったうえで扱ってもらえる場所を選びたいところです。



実は「第3の選択肢」があります

買取とフリマアプリのほかに、もうひとつ「委託販売」という方法があるにゃ。
服を手放す方法として、多くの方は「買取」か「フリマアプリ」の二択で考えます。実はもうひとつ、預けて代わりに販売してもらう「委託販売」という選択肢があります。
| 方法 | 手間 | 手元に残るお金 |
|---|---|---|
| 買取 | 送るだけでラク | お店が買い取る金額なので、手元に残る金額が少なくなりやすい |
| フリマアプリ | 撮影・採寸・説明文・値下げ交渉・梱包・発送を全部自分で | 手数料と送料が引かれるぶん、表示価格より手取りは少なくなる |
| 委託販売(フクツグ) | 送るだけ | 販売価格の40〜80% |
なお、ノーブランド・ファストファッションは取り扱いの対象外です。ブランドの背景がある服ほど、フクツグの委託販売と相性がよいと考えています。

大切に着てきた時間は、次の持ち主にもちゃんと伝わるにゃ。迷ったら、まず相談してみてほしいにゃ。
「このジャケット、どのくらいで売れるんだろう?」と思ったら、お気軽にご相談ください。
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アイキャッチ画像:Photo by Alina Komarevska on Pexels
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